2006 TARGA TASMANIA Rally Report
 The 15th ANNIVERSARY
2006.5.5

今年度は 15周年の記念すべき TARGA TASMANIA RALLY  2006年4月25-30日 愛車 240RSは4年目(4回目)の参戦です。
It is TARGA TASMANIA RALLY of 15th anniversary commemoration this year. Own car 240RS is the fourth challenge.

    
1991年クラシックカーのイベントとしてスタートしたタルガタスマニアラリーですが、現在ではモダン・クラスの最新車が大半を占め,そして,ハイ・スピード化が進みメデイアもその優勝者の報道に主眼がおかれるようになった。又,リスナーもその報道に注目しそれらの 人・車両の動向に期待する現在において,今回4日目に観客へ競技車が突っ込み負傷者を出すと言うニュースが世界に流れましたそれも日本からの参加車両であり,我々日本チームにとっても大変衝撃的な出来事でした。
負傷された方々の早期回復を心よりお祈りします。今後,観客の安全強化施策に期待したいと思います

22.April 曇り : タスマニア入り

メルボルン経由でタスマニアに入り レンタカーで pm 6:00 ホテル到着。あいにくの小雨もようで若干肌寒いタスマニアです。心配された愛車も無事到着していました,事前車検で若干の問題が残り明日の車検までに何処まで解決されるか心配が残ります。又,
ナビゲーターと初面談,Mr.Tony Brandonは気さくな人柄の方でうまくやれそうです,簡単な自己紹介と明日からの調整を実施し明日の受付と本車検を待つ状態です。夜の飛行機で寝不足気味なので今夜はしっかり睡眠をとります。
                  日本との時差 + 1時間
今回の 15周年記念の 2006年タルガタスマニアラリーは 210台とプラス競技対象外の参加車となりました。日本から参加は過去最多の7台となります 。ちなみに,チーム日本の最長老は 63才の私でした。
それでも現地のタスマニアラリーへ参加する方々は私より年上のおっさんが多く,私などはまだまだ若い方でしょう?


23.April 快晴 : 日本参加全車 本車検合格

今日は
受付と車検です、この車検はFIA規則に準拠しているかのチェックで妥協は許されません。今年からこの車検を受ける前に
指定工場で事前車検を義務付けられました。従って,事前に車体を中心に安全面での整備を実施し仮車検を受ける事が必要です。私の 240RS は過去3回既にタルガラリーの車検にクリアーしたボディでオーストラリアのCAMS(日本のJAF)の検査合格のシールが張ってありますが今回は厳しいらしく出発前現地から色々な不具合情報を受けていました。

    
私の 240RS はロールゲージが組立式のボルト締めが問題 ? ・・・ と言うことですが,240RS がFIAホモロゲーションを受けたロールゲージである証明書類をメール送信などでバタバタしました。
さて当日の本番車検は色々と時間をかけてチェック・質問がありましたが,過去に車検合格車両と言う事もあって,タルガ日本事務局のYUKAさんがうまくまとめていただき,そして記念すべきTARGA 15周年記念のナンバープレート・サイドステッカーを張付ける事ができました
。その他ヘルメット・レーシングスーツ等 FIA規則合致チェックを受け,これで日本参加組はすべて本車検合格し,これでいよいよ本番で走ることができます。
今夜はウエルカム・パーティで参加者との歓談です。日本から参加メンバーと挨拶など話に花が咲きました,過去の参加者で見覚えのあるタスマニアのコンペティターとも久しぶりに会い,カタコトの英語で何とか意気投合し楽しいパーティになりました過去3回参加し,パーティ・ビデオのアクシデントヒーローになった事もあり,NISSAN 240RS と私の名前 Mr..ヘビィノゥ ・・・ と言う発音で私を覚えてくれている人が居ました。この Mr.ヘビィノゥ ・・・ はパーティ・ビデオの中での発音がそのままになったようです。

24.April 快晴:歓迎朝食会で海外参加者は歓迎を受けました

海外からの参加は日本からの参加者が一番多かったようです。歓迎朝食会後,日本からの参加者を対象としたブリーフィングがあり,積極的な質問など基本的な安全の為のルール説明が終了。午後はドライバーズ・ミーティングです,全てのドライバー・ナビゲーター参加が義務付けられています。一方、車両はシルバードームと言う室内に展示され一般公開されますが,大変貴重,高価な車を豊富に見ることが出来る中身の濃い展示です。
        


又,本日より日本からのテレビ局関係者がタスマニア入りしました。Mr.KW氏のヨタハチへ室内カメラ・セッティングと今後の事前ミーティングなど ・・・ 終日何かとあわただしく終了です ・・・ 明日はいよいよプロローグスタート

さて,ヨタハチと .Kawasaki ご夫妻はタスマニア地元では既に有名人で今回タスマニア新聞社の取材を受け翌日新聞報道されました。又,最終日のパーテでは海外参加車人気賞も受けるなど,タスマニアラリーに欠く事の出来ぬご夫妻になりました。
※ 実は,このご夫妻は2001年に私が 240RSで初めてタルガタスマニアラリーに参加しようと企画していた時に「私も参加したい」・・・
エッ ・・・ ヨタハチで ! 実はチョット驚いたのです,それはヨタハチが5日間も走れるのか? ・・・ その眠っているヨタハチをこれから整備して参加すると言うのだ!  ・・・ まずは「参加に意味が有る」と考え,快諾しご協力したのがキッカケで,それ以降のタスマニアラリーも一緒に参加したのです。
ご夫妻のテレビ全国放映 生きる X 2 『ヨタハチ奮戦記』 5月21日 放映され、味のあるご夫妻の生き方とタスマニアラリーの迫力を見ることが出来ました。

1965 TOYOTA SPORT 800 Mr.Kawasaki & Hitomi

Prologue 25.April 晴れ Temco George Town Prologue

初日、ジョージタウンの街を閉鎖した
プロローグは日本チーム全車完了 ・・・ ? 出走順を決める為のタイムを計るようなもの,むしろ楽しんで走る方が良いのだが ・・・

★ しかし,1人だけ楽しめない者がいた
!
 ・・・  707 240RS そうです、私なのです  →  問題はミッション ! 使い物にならない
Problem !!  Transmission of a bad maintenance result →  A shift(gear) falls out.(NG)

タルガ参加の為にミッションのギヤ比交換整備したばかりだが負荷が掛るとシフトが抜けエンジンが雄叫びを上げてしまう ・・・ 問題は 常用の2速 3速が抜けてしまい特に2速は全く役に立たない。このシフト抜け現象でコーナーでの操舵が不安定となり危険この上ない,現実にその操作に手こずり スピン! ・・・ このタルガ参戦の為にミッションとエンジンを某社へO.H依頼・準備してきた訳だがタルガでは使い物にならない ! ・・・ 何の為の整備だったのか ?
実はO.H 整備完了の引取りで、回転を抑えて ・・・ 某社の指示どおり帰宅途中の高速道路 100km/hの巡航走行で5速が抜け,更にヘッドからエンジン・オイルが多量に吹き出しトラブルが出て再整備戻りになった ・・・ その整備に手間取ったこともあり時間的余裕が無い状態でタスマニアへ出航したのです。
帰国後信頼のある某日産センターへミッション整備依頼したところ、整備士の方曰く 「このミッションは 素人が組んだね」 ・・・ XXX@@@
こんな状況でタスマニアの初日,最初のコーナーでのギア抜けである。且つ整備当事者本人が現地へ持ち込んだスペアー・ミッション提供要請も拒否され !! ・・・ 挙句の果てミッション整備当事者から責任回避の発言「ギャ抜けは運転技術の問題だ」・・・!  人を見下げた上から目線の発言(過去3年間タルガタスマニアラリーを経験し,また今回のトラブル被害者でもある私への暴言) ・・・もうヒッチャカメッチャカ。 

さて、
明日からの5日間をどうするか ? ・・・ ナビと相談した結果「壊れるまで走りストップしたらリタイヤ」ということでスタートすることに決定。

            

      
初日プロローグのミッション・トラブルでスピン苦戦する 240RS (707)を責める 黄色の 717。プロローグ終了後の芝生で休息中の240RSへ追突した黄色車両 717ですが、ミドシップで FRPボディのワンメーク車両の様で総合でも上位でフィニッシュしています。
愛車に追突 ・・・ ? ! Accident ? ! : It clashes from behind to my car  割れたバンパーを応急処置してくれるナビのトニーです

Day-1 26.April 霧のち晴れ : セルモーターが ・・・ !

プロローグ・タイムの遅い車両から順番に出走します。まず恒例の警察官によるアルコール・チェックを全員実施された後市内へ移動するセレモニー・スタートから 朝霧の中を走りTS-1を目指します。スタート地点では快晴となり路面状態はドライで今日は 8ステージのラリーを消化します。

昨日のプロローグで判明したミッション不具合でどんな状況になるか不安なスタートだ。そんな状況での私は「一日中 片手ハンドル」 ・・・ シフトを抑えたままでのラリーです,とは言うものの鋭角コーナーでは片手ハンドルでは曲がれずシフトから手を離すとシフトが抜ける !! ・・・ その繰返し ・・・ 今日は 疲れたァ〜  両肩はパンパンです。そんな訳で思いっきりの走りを楽しめませんでしたが初日終了,オイル交換と予備オイルを購入し明日の準備を完了です。
異常にオイル消費が激しい !?? 前回のタルガではこんな事は無かった、エンジンOH整備依頼結果がこの現象だ? ・・・ 以前より悪くなっている。
       
                                        お世話になったモンキーレンチ,30年以上愛用
一方またもや問題が見つかりました!  セルモーターが回らない ・・・ 通電してるのだがモーターが回らない。モーターへ「衝撃」を与えてると回るのだ ! 以前から出ていた症状の為,これも整備依頼したのだが直っていない ・・・ まったく話しにならない ! ・・・そんな訳でナビのトニーはモンキーレンチを常にバックに入れ,エンジン始動時の「セルモーター役」をする事になった。
全てに信頼性が欠如する整備結果に怒りを感じる ・・・

この日 Kawasaki氏はマフラーが割れましたが マフラー専門工場で修理を終わせる事が出来ました ・・・ 他の日本組も無事ゴールです

Day-2 27.April 霧のち晴れ
    
今日も難コースが続きますが幸いな事にドライです,とは言うものの何台かクラッシュ・リタイヤが出た様子。ところで私のミッションは2速が完全に駄目で使えず,3速でモタモタ加速するしかないが,それも外れる ・・・ これではすべてに困る,しかしベストを尽くさなければタスマニアへ来た甲斐がない,完走目指してどこまで行けるか?  エンジンを壊さぬよう回転数を下げて走ります。もうツーリング状態 ・・・ 両肩は片手ハンドルとシフトを抑える為の痛さを通り越して鉛のように重い。
今日は 9タルガステージ(73.89km)をクリアーしエンジンオイル追加

Day-3 28.April 晴れ : トラブル発生

240RSが TS-24で トラブル発生 ! 全開で攻めていたコース上で 突然 エンジンストップ ??? ピクリともしません ・・・ 後続車にコースを譲る為,路肩へ停止し OK標識で後続車に知らせます。原因はすぐに分りました,なんと ! ドライバー・パネル左にあるキルスイッチ(緊急時の電源を切るスイッチ)がジャンプの瞬間に左ひざが当たり電源を切ってしまったのです。タルガ・ターマックラリー特有のジャンピング・ポイントが多く存在し着地スピードによって想定外の揺り返しジャンプで姿勢を崩しコースアウトしてしまう事があります。 この4分近いロス時間は後続車数台に抜かれたことになります。
  
                          TS-24 Longly を走るトラブル直前 ? の 240RS 

                
キル・スイッチ切れた状態 通常は上向き →  
   ● ミッションとセルモーターでもうガタガタ状態

Day-4 29.April 晴れ : 日本車アクシデント !

この日、2本目の
TS-27で観客を巻き込む事故が発生 ・・・ !我々は途中で関係者からこの情報を得ていましたが,正式には何も連絡が無く競技続行。ホテルに戻りテレビのスイッチを入れた途端 リアルなニュース映像にビックリしました。日本からの参加車両がコントロールを失い立ち木を避けながらカメラの前を通過するその衝撃は大変大きなものでした。
私も事故直前このコースをクリアーしましたが 私的感覚としては「例年この TS は早朝路面ウエット」そして何よりスタート直後でタイヤが温まっていないのでグリップが小さい為 "注意" ・・・ と言う感覚でクリアーしました。
一方,嬉しい情報としてこの事故ニュースをテレビで見た現地の方より我々日本人を見つけ大丈夫か? そしてドライバーへ渡してくれと言う事でプレセントを受取ました。
             

MGの後につづきツーリング区間中の 240RSです ・・・ タルガステージ(TS)を全開走行し次のTSまではこのように一般道を約 100km/hで移動します。大変素晴らしい景色の連続です,これもタルガ・タスマニア・ラリーの楽しみのひとつです。
サーキット走行の TS-29 はナビゲーターの
Mr.Tony Brandonにハンドルを譲りました。トニーは大変多くのレース経歴を持っているベテランですが 240RS は扱いにくそうです。ナビゲーターとして大変シンプルなナビをし分りやすく、ドライバーにとって有難い存在でしたし外れるシフトを私の替わりにロックしてくれたりナビ以上の仕事をしてくれました(感謝です)。 又トニーは常に大好きなダイエット・コーラーを放す事はありません,そして人を笑わせたりして今回の私の目的でもある "タルガ・ラリーを楽しむ" に大変貢献してくれました。

   
          
ニュージーランド生まれの トニーと愛車フィアットラリーです


タスマニア島にとってタルガタスマニアラリーは年に一度の大きなイベントなので,小学生などは授業の途中に沿道に出て一生懸命手を振ってくれますのでこちらもそれに応えます。
右の写真は,タスマニア・ラリー観戦の為,ツーリング・コースに隣接する自宅に親戚の方が集まりバーベキューやワインなどを飲みながら競技車通過毎に手を振って応援していました。日本から応援に随行したMr.K氏がこのご家族に誘われ一緒にご馳走をいただき和やかな雰囲気でのひとコマです。

Day-5 30.April 晴れ・雨:最終日

最終日は午後から雨です。Sタイヤは雨には大変弱く山岳コースだったらコースアウト多発でしょう? 今日の私は ハーフ・スピンを2回やらかしてしまいました。特に最終の TS-44 New Norfolk と言う雨の市街戦は最後と言う事もありチョット,アクセル踏み過ぎたようです。スベリまくりで最終コーナーでは遂に縁石乗り上げと言う派手なスピンでした(30秒近くロスタイム)
   Goal
雨の中多くの人が待つカジノホテルへゴール
日本車は 6台が完走を果たしましたヨタハチKawasakiご夫妻も完走,タルガ・トロフィをゲットです。

【 考 察 】
ミッション・セルモーター不具合を抱えたままでの5日間,思うような走りが出来ずストレスが溜まりましたがナビゲーター・トニィの協力を得て何とか走りきりました。
その結果として ・・・ カテゴリー7クラス(7LMSA) 2位 TARGA TASMANIA WINNER トロフィーと 完走メダルをいただきました。

        

日産 240RS の TARGA TASMANIA RALLY 集大成
2011.9.6 TUE : 記録の整理
  --- その後 ---
TARGA TASMANIA RALLYには4年参戦した訳ですが、2007年脳梗塞と言う病気で倒れ主治医から再発の可能性有り。又、身体麻痺、視野の障害、危険回避能力の低下等があり生活に支障(もちろん運転にも)がでてしまう場合もあるので「瞬間危険回避の多いラリーは避けた方が良い」・・・ この言葉には逆らえず、現在 愛車 240RS でのタルガ・タスマニアラリー参加を見合わせています ・・・
オーストラリアのTARGA TASMANIA RALLYへ 2001年〜2006年 4回 愛車DATSUN 240RSで参戦した訳だが ・・・さすがにもう体力的に5回目の参戦は無いでしょう。若かった当時は 240RSとタルガタスマニアラリーの為に生活が回っていたような気がする。

4年間のTARGA TASMANIA RALLY を通して 240RSと共に色々な事が有りました,この 4年間は240RSの事は全てを知り尽くした感が有ります,これからは240RSには負荷を掛けず「一緒に楽しむ」事を目的に,これから経過する時間を大切にしてユックリ流れて行きたいと思っています。


そこで、過去 参戦毎に受け取ったナンバープレートを一つの記録とし「額装」にして整理した。つまり 4年分のナンバープレートをひとつにまとめ「集大成」としました。これは額装専門店へ依頼する事で希望通りのデザインに仕上げてくれます。かなり大きな「額装」となりましたが その仕上がりに満足しています。
     
上から 2001年 2002年 2004年 2006年 4回参戦のナンバープレートをまとめ,記念写真と自分で描いた愛車スケッチをはめ込んだのです (横幅 1,150mm)
もう一つは 2002年 タスマニア参戦仲間達に、一役 "神風" 日産240RSを知らしめたジャンピングシーンとその時のナンバープレートを一つにまとめました (横幅 750mm) 
これも良い記念となります
2001年10周年と2006年は15周年は「タルガタスマニアラリー記念ラリー」で,私のナンバープレートはその「記念ロゴ」デザインです。
4年間のタルガタスマニアラリーがここに凝縮されたようです,若い時にしか出来なかった事で 今となっては忘れ得ぬ大切な記録になりました。

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